日本化学会誌(化学と工業化学)
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三重県的矢湾における底質土中の微量金属元素の分布吻
高橋 一暢
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1989 年 1989 巻 9 号 p. 1558-1563

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抄録

原子吸光分析法(以下,AASと略記する)により三重県志摩郡磯部町の的矢湾における底質土中の微量金属元素(銅t亜鉛,鉛,マンガンおよびスズ)の含有量とその分布特性とを明らかにし,港湾海域におけるそれぞれの微量金属元素の化学的挙動について検討した。底質土を王水で湿式分解したのち,底質土中の銅,亜鉛,鉛,マンガンおよびスズをAASで定量した。その結果,三重県的矢湾における底質土中の銅,亜鉛,鉛,マンガンおよびスズの含有量(乾重量あたり)は,それぞれ1.9~49.9,26.3~146,7.3~40.9,86.2~350および2.4~10.8μ9/9の濃度範囲を示した。さらに,それぞれの微量金属元素の分布特性についてみると,銅,亜鉛,鉛は港湾の内部に入るにしたがって次第に増加したが,マンガン,スズは他の微量金属元素(銅,亜鉛および鉛)の分布特性と異なることがわかった。

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