抄録
α-,β-,γ-体の長鎖アルキルアミノ置換シク揖デキストリン誘導体, hexakis (6-hexadecylamino-6-deoxy) -a-cyclodextrin, heptakis (6-hexadecylamino-6-deoxy) -8-cyclodextrin(6-hexadecylamino-6-deoxy) -r-cyclodextrin をホスト分子,またあるいはoctakisp-methyl red, 4'-dimethylaminoazobenzene-4-carboxylicacidをゲスト分子とする包接錯体のLangmuir-Blodgett膜(LB膜)・キャスト膜・およびドクロロホルム溶液におけるシスrレトランス熱異性化反応を比較し,それぞれの分子集合状態のミク冒環境の違いを検討した。その結果,クロロホルム溶液におけるシス体が最も安定で・キャスト膜・LB膜の順に不安定化することがわかった。これは,媒体の異牲化を許容する自由体積の大きさや運動自由度などの凝集構造が,上記の順序で剛直になるためと考察した。したがって・溶液状態では異性化反応を一次反癒式で解析できたが,キャスト膜やLB膜では一炊反応式からのずれが観測された。さらに,クロロホルム溶液の検討において,この系におけるゲスト分子包接の主たる駆動力が,ホスト分子とゲスト分子の静電的な相互俸用であるζ とが判明した.