1990 年 1990 巻 4 号 p. 357-362
二核マンガソ錯体の活性を調べるため,3-サリチリデンアミノ-1-プロパノールを配位子とする二核マソガン錯体を合成し,これを用いてテトラリンの酸化反応,テトラリルヒドロペルオキシドの分解反応を行った。MeOH溶媒中でのテトラリンの酸化反応に対しては低い活性を示した。しかし,テトラリルヒドロペルオキシドの分解反応にこの触媒を使うと30℃ という温和な条件で反応は進行しi本触媒は酸素の活性化よりも過酸化物の分解作用に大きく寄与していることがわかった。また溶媒効果について検討した結果,種々アルコール中での反応はMeOH<EtOH<n-PrOH<nBuOHの順に分解速度は増大し,MeOHをクロロベソゼンで希釈するとクロロベンゼン比が増加するにつれ分解速度は増大した。二核マンガン錯体は過酸化物と内圏錯体をつくり分解反応を進行すると考えられるが,MeOHは過酸化物と水素結合をして分解速度を遅らせていると考えられる。
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