水溶液中の尿素に対する多種類の活性炭ゐ吸着量は0,13~0.15mmo1/gの範囲でほぼ一定する。活性炭を濃硝酸で適度に処理すると,尿素吸着活性(吸着量)は0.19 mmol/g程度に増大した。ところが,この吸着活性は硝酸処理活性を高温で加熱するにつれて次第に低下し,800℃ で加熱すると,ほぼ半減した。対照的に未処理活性炭では同様に高温で加熱しても吸着活性は変化しなかった。未処理活性による尿素吸着量は蒸留水中でも,リンゲル液中でも変わらない。これに対し硝酸処理活モゐ性炭による吸着をリンゲル液中で行う場合には,蒸留水中で行う場合にくらべ,吸着量がやや低下した。種々の塩基溶液による中和や高温で加熱した場合の発生気体成分の分析などを行った結果,硝酸処理活性炭の尿素吸着の活性点はおもに隣接したカルボキシル基であると推察された。一方,未処理および高温で加熱した活性炭表面の活性はラクトン環に起因する可能性がある。
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