日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
メチルグリコールキトサンによるカルシクロムの変色
松田 禎行
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1990 年 1990 巻 4 号 p. 376-379

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抄録

pH=6・8・20℃ で30μMのカルシクロム水溶液に加えたメチルグリコールキトサン(MGCh)の影響を分光光度法で調べた。2・3×10-4NMGCh添加により最大吸収波長は545から35nm長波長側へ移動したが,吸収の強さはあまり変化せず,スペクトル変化は0.1M(mol・dm-3)ゼフィラミンを添加したものに類似していた。また,呼収スペクトルにおよぼすMGChの効果は80℃ と20℃ でほとんど差がなかった。一方2MNaCI添加で会合したカルシクロムの吸収スペクトルとはまったく異なっていた。この会合したカルシクロムを温度を上げて(80℃)解離させるとMGChのみの添加によって得られたものと類似した吸収スペクトルが得られた。したがって5個の局在化した負電荷をもつカルシクロムは,会合して変色するのではなく,MGChとイオン対形成して変色するといえる。

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© The Chemical Society of Japan
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