PCB,ポリクロロジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン(PCDDs),ポリクロロジベンゾフラン(PCDFs)(PCDDsとPCDFsを総称してダイオキシン類と呼ぶ)は微量であっても極めて有毒で,生物分解が困難で蓄積性があるため,地球規模的な汚染の広がりを見せている。本報文は都市ごみ焼却炉から排出されるダイオキシン類の発生源,発生機構,分析の問題点,制御などについて,著書および研究グループと文献から得られる知見とデータに基づいてまとめて概説し,液状廃PCBについて高温分解処理方法およびその結果について述べたものである。廃棄物の焼却はダイオキシン類の主な発生源の一つである。主な研究結果は次のようである。1)ごみ焼却炉のごみおよびガスの流れに沿ってダイオキシン類の濃度を測定し,調査した結果, イオキシン類はボイラーでのガスの冷却ゾーンで主に合成され,また,入ロガス温度が200℃以上の場合の電気集じん器の中でも生成することが明らかとなった。2)ダイオキシン類のサンプリング時にもガス温度が120℃以上の場合,炉紙通過中にダイオキシン類が生成されることを明らかにし,標準的なサンプリングおよび分析方法を提案した。3)ダイオキシン類の発生機構について解析し,倒御方法の提案を行った。液状廃PCBについて,PCBの熱分解特性について考案し,本プラソトによる約5500tのPCBの処理方法と結果について述べた。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。