日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
7,7-ジハロおよび7-ハロビシクロ[4.1.O]ヘプタンの接触水素化分解
坂井 淳一磯貝 浩司松木 和久東海林 博輝
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 1991 巻 6 号 p. 748-753

詳細
抄録

7.7-ジフルオロビシクロ[4.4.0]ヘプタン1と1のフッ素原子を塩素で置き換えた2および臭素で置き換えた3を,Pd触媒を用いて接触水素化すると,フッ素の置換がendo-位かexo-位かの違いで興味ある挙動を示した。2および3の反応性は1に比較していちじるしく低かったが,環の開裂はいずれもC1-C6結合で起こった,生成物はシクロヘプタンとフルオロシクロヘプタンで,endo-フルオロ置換体では前者が唯一の生成物であったのに対して,exo-フルオロ置換体はフヅ素を保持する傾向が強く,両方の生成物を与えた◎ アミンを添加すると1および2は反応しにくくなったが,3は炭素一臭素結合の水素化開裂を受けて7-フルオロビシクロ[4.1.0]ヘプタンを与えた。endo/exo-7-フルォロ-,7-クロロ-および7-ブロモビシク.[4.1.0]ヘプタンを水素化すると,7-フルオロ-および7-クロロ置換体のendo-異性体は開環してシクロヘプタンを与えたが,exo-異性体の反応性は極めて低かった。一方,7-プロモ置換体ではexo-異性体の方が反応を受けやすく,このとき炭素-臭素結合の水素化開裂が優位に起こった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top