日本化学会誌(化学と工業化学)
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気体用二次導関数分光光度計を用いた海水中の亜硝酸塩および硝酸塩の連続および濃縮定量
長島 珍男保母 敏行
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1991 年 1991 巻 6 号 p. 786-794

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抄録

亜硝酸塩を含む試料(4ml/min)と,0.13Mヨウ化ナトリウムを含む13Mリソ酸溶液(1ml/min)を連続的に混合,約45秒間加熱(50℃)し,その混合液を気-液分離管(ガラス管と多孔性テフロン管(内径1mm)から成る二重管)へ導入し,一酸化窒素を発生させた。発生した一酸化窒素はキャリヤーガス(窒素)を用いて気体用二次導関数分光光度計の光吸収セル(光路長25cm,セル温度150℃,体積80ml,λ=214.Onm)へ導き測定した。試料を導入してから約6分後に一定な応答を示した。亜硝酸塩が1×10-6~1×10-3Mの範囲で連続測定が可能であった。硝酸塩の定量には試料液をCd-Cu粒を詰めた還元カラムに通し,亜硝酸塊に還元後亜硝酸塩と同様に測定し硝酸堪と亜硝酸塩の合量を得,カラムを通さなかった時の値との差を求めることにより行った。発生した0酸化窒素を一定時間(20分間)濃縮させた後0光吸収セルに送って測定する高感度定量法について諸条件を確立した。この濃縮式定量法によれば2×10-8M程度まで測定が可能であった。本法を実海水試料中の硝酸塩・亜硝酸塩の定量に適用した。

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