日本化学会誌(化学と工業化学)
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アンモニア吸着除去用硫酸賦活活性炭素繊維のNOによる室温再生
持田 勲河野 静夫前田 豊広
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1991 年 1991 巻 9 号 p. 1177-1182

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抄録

著者らは前報で,硫酸再賦活ACFが高いNH3吸着能と同時に100~200℃でNO-NH3反応に対して高い活性を示すことをすでに見いだしている。そこで,このACFを利用し,吸着NH3の脱離,ACF再生と,NOの無害化を同時に一工程で処理することを試みた。
ACFに吸着したNH3は室温の空気のみでは,ほとんど脱離しないが,NO(400ppm)を混入した空気ではNH3と反応して還元され,同時にACFのNH3吸着能が再生された。この方法でACFの種類により,185℃加熱再生吸着能の40~90%が回復する.本法は,くり返し再生も可能である。
NH3吸着能の再生には空気中の湿度が強い影響を示すことを見いだした。相対湿度60%以下では,その影響は小さいが,80%を越えると再生能がいちじるしく減退し,100%では0~20%の再生にとどまった。再生温度が高くなると,再生は進行するようになる。

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