日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
希土類元素(La,Ce,Pr,Nd)のプロピオン酸塩一水和物の熱分解における酸化四プロピオン酸ニランタニドの生成
小川 誠眞鍋 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1993 巻 5 号 p. 617-622

詳細
抄録

希土類元素(La,Ce,Pr,Nd)のプロピオン酸塩一水和物の熱分解過程を熱重量測定(TG),示差熱分析(DTA)および示差走査熱量計(DSC)などによって研究した。出発物質および熱分解によって生成した化合物の組成を赤外吸収スペクトロスコピー(IR)と粉末X線回折計で同定し,さらに元素分析,化学分析およびICP発光分光分析により定量的に求めた。無水和物から酸化物への熱分解過程中に発生する気体をガスクロマトグラフィーで分析した。一水和物の脱水反応は一段階で連続的に進行し, 脱水過程中には中間水和物の生成は認められなかった。無水和物は融解現象を示し,その融解熱はつぎのような値が得られた。La:18.82kJ・mol-1,Ce:9.23kJ・mol-1,Pr:22.49kJ・mol-1,Nd:18.31kJ・mo1-1融解後,無水和物は3-ペンタノンと二酸化炭素を放出し,一つの未知中間化合物を経過して,酸化炭酸塩Ln202CO3(Ln:La,Ce,Pr,Nd),にいたる。ついで,酸化物に分解する。この未知中間化合物はLn2O(C2H5COO)4(Ln:La,Ce,Pr,Nd)の化学組成をもつと推定される

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top