日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
Y-Sr-Co-0系複合酸化物によるNO吸収挙動
斎藤 美穂舘 隆広山下 寿生宮寺 博
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1993 巻 6 号 p. 703-708

詳細
抄録

Y-Sr-Co-O系,Y-Sr-Mn-O系,Y-Sr-V-O系,Y-Ba-Co-0系の4種の複合酸化物の一酸化窒素(NO)の吸収挙動を検討した。このうち,Y-Sr-Co-O系の複合酸化物は反応温度300℃において最も高いNOx除去活性を示した。そこで,Y-Sr-Co-Oを用いて300℃におけるNO飽和吸収量を測定したところ,その値は試料1mol当たり1.55molであった。NO吸収反応は酸素存在下においてのみ進行し,FT-IR測定の結果NO3-のピークが観察されたことから,NOは酸化されてNO3-として吸収されていることがわかった。また,この複合酸化物中には,Co304,Y203およびY,Sr,Co,0からなるABO3型ペロブスカイトが形成されていた。Co304,Y2O3はNOを吸収しなかったこと,また,NO吸収後にはABO3型ペロブスカイトは消失していたことなどから,ABO3型ペロブスカイトがNOを吸収したと考えられる。Y-Sr-Co-0は,昇温脱離測定において500℃付近で脱離する反芯性の高い酸素を含有しており,この反応性の高い酸素がNOの酸化吸収に関与していると思われる

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top