1993 年 1993 巻 6 号 p. 703-708
Y-Sr-Co-O系,Y-Sr-Mn-O系,Y-Sr-V-O系,Y-Ba-Co-0系の4種の複合酸化物の一酸化窒素(NO)の吸収挙動を検討した。このうち,Y-Sr-Co-O系の複合酸化物は反応温度300℃において最も高いNOx除去活性を示した。そこで,Y-Sr-Co-Oを用いて300℃におけるNO飽和吸収量を測定したところ,その値は試料1mol当たり1.55molであった。NO吸収反応は酸素存在下においてのみ進行し,FT-IR測定の結果NO3-のピークが観察されたことから,NOは酸化されてNO3-として吸収されていることがわかった。また,この複合酸化物中には,Co304,Y203およびY,Sr,Co,0からなるABO3型ペロブスカイトが形成されていた。Co304,Y2O3はNOを吸収しなかったこと,また,NO吸収後にはABO3型ペロブスカイトは消失していたことなどから,ABO3型ペロブスカイトがNOを吸収したと考えられる。Y-Sr-Co-0は,昇温脱離測定において500℃付近で脱離する反芯性の高い酸素を含有しており,この反応性の高い酸素がNOの酸化吸収に関与していると思われる
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