日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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ZSM-5ゼオライトの耐スチーミング性,耐熱性に与える結晶粒径の影響
今井 哲也佃 岩夫野島 繁
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1994 年 1994 巻 10 号 p. 867-873

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抄録
結晶粒径が異なるSi/A1比80のZSM-5ゼオライトを水熱合成時のOH-/SiO2比および時間を変えて合成し,それらの耐スチーミング性,耐熱性,およびメタノールの転化活性を検討した。結晶粒径は,水熱合成時間によってほとんど影響されず,OH-/SiO2比によって主に決定された。OH-/SiO2比0.14で合成したH-ZSM-5は,水熱合成時間9時間以上で,結晶粒径の大きい類似の結晶が得られ,スチーミング処理後の酸量も多いのに対し,結晶粒径が小さくなるほど,スチーミング処理後の酸量が少なくなった。H-ZSM-5の耐熱性については,1373K以上の焼成によりZSM-5の結晶構造が破壊し,1473Kの焼成で,クリストバル石構造に転移した。その結晶構造が破壊する温度は結晶粒径が大きい方が高くなった。スチーミング処理に伴う強酸量の減少にともない,メタノールからの炭化水素の生成割合が減少した。
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