抄録
Voge1らの導いたPAFCのアノード1-V特性のモデル式を用いて触媒層の種々のミクロ構造パラメーター及び速度論的パラメーターの1-V特性に及ぼす効果について検討した。白金担持密度(Wpt),触媒層の厚さ(L),交換電流密度(i0),平衡電位における白金上の吸着水素の被覆率(θ0),水素ガス濃度,CO濃度の効果について調べた。これらのパラメーター値の範囲を実際の電池運転条件を模擬した状態において取り得る領域に設定した時,一定電位における電極電流密度Iは(Wpt)1/2,(i0)1/2,(L)1/2に比例して増加した。また,θ0の大きな電極ほど良好な特性を示した。燃料ガス中へのCO混入による特性の低下率はCO濃度1%以下の領域において特に大きかった。