日本化学会誌(化学と工業化学)
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6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]サリチル酸誘導体の合成とそれら誘導体のチロシナーゼおよびピアルロニダーゼ阻害活性
野村 正人多田 貴広逸見 晃藤原 義人下村 健次
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1995 年 1995 巻 12 号 p. 986-993

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抄録

インドネシア産カシューナッツの殻液から単離した6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]サリチル酸(1)を用いて簡便な手法により24種類の化合物を誘導し,チロシナーゼ阻害活性,活性酸素抑制ならびにピアルロニダーゼ阻害活性を検討した.その結果,3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン(DOPA)を基質とするチロシナーゼ限害活性試験では,2-ヒドロキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]ケイ皮酸(4)と2-ヒドロキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]シンナミルアルコール(5)に良好な阻害活性(50~62%)が存在することがわかった.つぎに,活性酸素抑制効果試験では,2-ブトキシ-6-[(82Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]シンナミルアルコール(5d)に70%以上の阻害率があることがわかった.一方,ピアルロニダーゼ阻害活性試験では,6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペンタデカトリエニル]サリチルアルデヒド(3),2-メトキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]ケイ皮酸(4a)および,2-エトキシ-6-[(8Z,11Z)-8,11,14-ペソタデカトリエニル]ケイ皮酸(4b)に99%以上の阻害率が存在することがわかった.このように1から誘導した化合物のうち良好な阻害活性があった化合物について阻害活性形式を検討したところ,いずれも拮抗阻害を示すことが明らかになった.

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