日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ランタンおよびバリウム添加パラジウム三元触媒の耐久性
新庄 博文鈴木 正高橋 直樹横田 幸治杉浦 正沿松浦 慎次
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1996 年 1996 巻 5 号 p. 433-440

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抄録

自動車用 Pd 三元触媒への La や Ba 成分の添加は NOx 浄化活性の向上に有効である。触媒の耐久性に及ぼす La と Ba の添加効果を比較する目的で,γ-アルミナ担持 Pd 触媒および,これに La あるいは Ba を担持した触媒を,排気モデルガスを用い て600℃ から 900℃ で耐久試験した後,排気モデルガスを用いて温度を変化させた降温測定と雰囲気を変化させた空燃比測定による触媒活性測定,並びに比表面積測定, XRD 測定, TEM 観察および IR 測定による耐久触媒のキャラクタリゼーションを行った。耐久試験後の触媒活性を比較した結果, 800℃ 以上の高温耐久後,還元雰囲気下での NOx 浄化活性において Ba 添加触媒が La 添加触媒を大きく上回ることを見いだした。耐久試験後の比表面積の低下率および P d粒子径は両触媒とも同等であったこと,一部の La や Ba はアルミン酸塩を形成していたが,炭酸塩として残存している割合は Ba の方が大きかったことから, Ba 添加触媒の耐久性が La 添加触媒のそれよりも高いのは Ba が La に比べてγ-アルミナと反応し難く,アルミン酸塩形成による失活が小さいためであると推定した。

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