日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
球状デンプンイオン交換体の調製と性質
松本 和秋平山 忠一本里 義明
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1998 年 1998 巻 10 号 p. 657-663

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抄録

トウモロコシデンプンから得られた橋かけデンプン球状粒子を基体として, 各種デンプン球状イオン交換体を調製した. これら基体に2-クロロエチルジエチルアミン塩酸塩を反応させたジエチルアミノエチル (DEAE) デンプン, (3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル) トリメチルアンモニウムクロリドを反応させた2-ヒドロキシ-3-トリメチルプロピルアンモニオ (HTMPA) デンプン, トリエタノールアミンとエピクロロヒドリンを反応させた2-ヒドロキシ-3- {2- [ビス (2-ヒドロキシエチル) アミノ] エトキシ} プロピル (ECTEOLA) デンプンを調製した. 得られたアニオン交換体の交換容量はそれぞれ≈2.47, ≈0.90, ≈0.48meq/g, 膨潤度はそれぞれ≈6.6, ≈4.0, ≈6.7cm3/gであった. 一方, これら基体にクロロ酢酸クロロメタンスルホンナトリウム, 塩化ホスホリルをそれぞれ反応させ, カルボキシメチル (CM) デンプン, スルポメチル (SM) デンプン, リン酸 (P) デンプンを調製した. 得られたカチオン交換体の交換容量はそれぞれ≈0.83, ≈1.70, ≈1.88meq/g, 膨潤度はそれぞれ≈4.6, ≈3,7, ≈4.6cm3/gであった. CM-デンプン球状イオン交換体を用いてタソパク質の分離を行ったところ, CM-セルロース球状イオン交換体と同様に利用できることが判明した.

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