1998 年 1998 巻 10 号 p. 697-703
酸化セリウムを酸素貯蔵材として使用したパラジウム担持触媒の二酸化硫黄 (SO2) ガスによる被毒現象を検討した. 還元雰囲気下において, 酸化セリウムに担持したパラジウムに吸着した硫黄の脱離温度は, 酸化アルミニウムに比較して高温化しており, 被毒状態からの触媒活性の回復に影響を与えていることが判明した. この高温化は, 吸着した硫黄量と触媒の状態変化の解析から, 還元されたパラジウムと酸化セリウム間における酸化セリウムの還元性に基づく栢互作用が原因であると推察された. また, 573Kにおける, パラジウム担持酸化セリウムのSO2被毒に対する酸化, 還元雰囲気の影響を検討した結果, 酸化雰囲気では, SO2の吸着が酸化セリウムの酸素貯蔵を阻害し, 還元雰囲気では, パラジウム表面を不活性化しているものと推論した.
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