日本化学会誌(化学と工業化学)
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ポリエチレンの二段階熱分解ガス化
辻 俊郎田中 義樹柴田 俊春上牧 修伊藤 博徳
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1999 年 1999 巻 11 号 p. 759-763

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抄録

ポリエチレンペレットを二段階ガス化工程により検討した.1段目の工程はポリエチレンから液状生成物を得るための熱分解であり,2段目は1段目で得られる液状生成物をガス化する工程である.
1段目の留出油の収率は,分解温度470℃で約87wt%であった.2段目のガス化反応におけるこの留出油の最大ガス化収率は,800℃で試料ポリエチレンの82wt%であり,主成分はエチレンとメタンであった.また800℃においてC3以下のガス成分を得る最適空間時間は2.6sで,この条件下で生成するコークス量は1wt%未満で微量であった.vポリエチレンの二段階熱分解ガス化は,コークスの生成量が少なく,効率良く高カロリーのガスと,BTX(ベンセン,トルエン,キシレン)を主成分とする油を得ることができる.

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© The Chemical Society of Japan
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