1999 年 1999 巻 4 号 p. 275-281
プロビレン重合用の多孔質三塩化チタン触媒の新調製法を開発した.四塩化チタンをアルキルアルミニウム還元して,α型三塩化チタンを選択的に生成した後,エーテル/有機塩素化合物の混合物による処理で,α型三塩化チタン中のアルミニウム成分の抽出と,α型三塩化チタンからδ型三塩化チタンへの結晶変態を同時に行うことにより,プロピレン重合用の,高活性で高立体規則性のポリプロピレンを生成する多孔質の三塩化チタン触媒を得ることができた.結晶変態を誘引する有機塩素化合物としてヘキサクロロエタンが最も効果的であることがわかつた評価した有機塩素化合物中の塩素の電荷と触媒活性との間に相関があり,塩素ラジカルによる三塩化チタンの結晶変態機構を提案した.
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