抄録
高齢者用うつ尺度短縮版(GDS)の日本版(GDS-S-J)を作成した。作成に際して、質問項目が現在の日本文化からみて妥当であるか否かを検討した。また、聞いて分かりやすい訳語を使用した。さらに、各項目の日本文が長くならないように配慮した。このように、文化的および言語学的妥当性を高めてあるので、実際に用いることができると考えられる。英語版から翻訳された心理検査では文化的妥当性と言語学的妥当性を考慮する必要があるが、同時に英語版との等価性にも配慮する必要がある。これによって英語版のデータと日本語版のデータを比較しやすくなるからである。