認知神経科学
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シンポジウム 認知と機能からみた神経・精神疾患
筋萎縮性側索硬化症と認知機能障害
立石 貴久谷脇 考恭
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2023 年 24 巻 2 号 p. 49-54

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抄録

【要旨】 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は、運動ニューロンの変性により、筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患である。教科書的にはALSは末期まで認知症などの高次脳機能障害は伴わないとされていたが、ALSに合併した認知症については以前から多数報告され、ALS患者の5〜10%が前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia:FTD)を呈するともいわれている。2006年にALSとFTD患者に見られるユビキチン陽性封入体の主要構成成分がTDP-43蛋白であることが同定されたことで、ALSからFTLDまでのTDP-43蛋白の凝集、蓄積を基盤とする疾患をTDP-43 proteinopathyと総称されるようになった。ALSに合併するFTDでは、行動障害型FTD、進行性非流暢性失語症、意味性認知症のいずれも合併するが、FTDの診断基準を満たす例は多くない。ALSでは構音障害などの身体機能障害により認知機能障害は見逃されやすく、その把握には身体機能に応じた検査を行う工夫が必要である。本稿ではALSの疾患概念、ALS/FTDで認められる認知機能障害・精神症状の特徴、ALS/FTDに付随する精神症状に対する対処法と、こうした認知機能障害の合併がALSの予後に与える影響について解説する。

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