2004 年 6 巻 1 号 p. 41-45
ちえのわ課題遂行中の大脳皮質の賦活を非侵襲性の光トポグラフィによって検討した。近赤外光吸収の局所的変化について全頭116箇所において同時に計測した。同一の参加者に(1)ナイーブな状態で遂行させる探索試行と、(2)課題に熟練した条件で課題解決を繰り返させる解決試行を課した。両試行において、前頭前野における酸化ヘモグロビン量に有意な増加がみられたが、その部位は共通しなかった。探索試行では前端部前方、解決試行では前端部後方、探索試行の賦活のほうが吻側にあった。探索試行において賦活がみられた部位は問題解決のヒューリスティックの認知機能を反映している。解決試行では問題解決のプランニングの記憶が強く関わっていることが示唆される