【要旨】発達障害は、自閉性障害、学習障害(Learning Disorders; LD)、注意欠陥/多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder; ADHD)などが対象として挙げられる。発達障害は神経心理学的に前頭葉の機能障害であることが近年明らかになるにつれて、行動抑制やworking memoryモデルに基づく認知心理学的解析が最近活発に行われてきている。さらに、高次脳機能を非侵襲的に測定する脳科学の進歩とともに認知神経科学(cognitive neuroscience)という学際的な研究分野が発展して、発達障害児の脳内メカニズムが急速に解明されてきた。前頭葉の成長、成熟は神経放射線学的検討が、心の発達と前頭葉機能については神経心理学的立場から脳科学よる解析が進展している。