抄録
【要旨】高次脳機能障害があり自動車運転をして自損事故を生じた2症例を報告する。症例1は脳出血後の左片麻痺で半側空間無視を有する患者であり、医師の運転禁止の助言を守らず自動車運転を再開し自損事故を起こした。症例2は外傷性脳損傷患者であり、症例1の経験を踏まえ自動車運転適性評価と再開手順を定め、これに準拠して運転再開したが自損事故を生じた。安全運転助言検査を用いて外傷性脳損傷者の自動車運転特性を分析すると、外傷性脳損傷患者は健常者よりも認知反応時間のばらつきが大きいことが判明した。高次脳機能障害者の自動車運転は社会的にも重要な問題であり、今後の学際的臨床研究が必要である。