人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
原著
脈波伝播速度からみたメタボリックシンドロームと大動脈硬化との関わり
松崎 純子小野 百合楠 亜友美伴 由佳宮本 亜矢子小林 みち子前島 澄子佐々木 智子高橋 秀史岩田 佳代江原 亮子秦 温信
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 24 巻 4 号 p. 859-864

詳細
抄録
目的:脈波伝播速度(PWV)検査を実施した当院健診受診者において,Metabolic syndrome(MetS)と診断された受診者とそれ以外の受診者におけるPWV値につき検討した.
方法:受診者をMetS群と非MetS群(腹囲のみMetSの基準以上の腹囲群と,腹囲がMetSの基準未満の非腹囲群),正常群の3群に分類し,さらにそれらを,PWV1,600cm/sec以上(A)群と未満(B)群に分け各種検査結果を比較した.
結果:MetS群の出現率は43.7%であった.各群のPWV1,600cm/sec以上の出現率は43.7%(MetS群)から16.8%(正常群)であった.MetS群と非MetS群における有意差出現項目はPWV,性別,glutamic pyruvic transaminase(GPT),γ-glutamyl transpeptidase(γ-GTP),尿酸,血清クレアチニン,Body Mass Index(BMI)であった.各群におけるA群とB群の有意差出現項目はMetS群では,年齢,最高血圧,非MetS群では性別,年齢,最高血圧,最低血圧,glutamic oxaloacetic transaminase(GOT),空腹時血糖であった.正常群でも年齢,最高血圧,最低血圧において有意差を認めた.
結語:非MetS群および正常群である受診者においてもPWV高値者を認めたことから,大動脈硬化を考慮し,それらの受診者にも何らかの保健指導が期待される.
著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top