目的:2年間の体重増減が,血圧,血液検査値に及ぼす影響を,肥満の有無,および,世代別で検討した.
方法:2018年度より3年連続で定期健康診断を受けた20~69歳の16,819名(男性13,419名,女性3,400名)を対象とした.2018年度にBMI25以上,または,腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上の者を肥満,それ以外の者を非肥満とし,8群(20~39歳肥満,40~69歳肥満,20~39歳非肥満,40~69歳非肥満,それぞれ男女別)に分けた.対象者の2年後の体重変化を,5%以上減少,3%以上~5%未満減少,1%以上~3%未満減少,1%未満減少~1%未満増加(変化なし),1%以上~3%未満増加,3%以上~5%未満増加,5%以上増加に7分類し,血圧,血液検査値の推移を調査した.
結果:40~69歳男性肥満者は,体重変化なしをreferenceとした場合,2年間に5%以上の体重減少により,収縮期および拡張期血圧,LDL-C,HDL-C,HbA1c,AST,ALT,γ-GTPの有意な改善が認められた.20~39歳男性肥満者では,5%以上の体重減少が収縮期血圧を除くこれらの指標を改善させた.一方,5%以上の体重増加により男性肥満者においてはすべての指標が悪化していた.40~69歳男性非肥満者では,5%以上の体重減少により,収縮期および拡張期血圧,LDL-C,HDL-C,ALTが改善していた.また,5%以上の体重増加により,HbA1c以外の指標が悪化していた.20~39歳男性非肥満者では5%以上の体重増減により血圧,脂質,肝機能に影響が及んでいた.なお,女性においては一定の傾向を認めなかった.
結論:男性肥満者では,全世代を通じて,2年間で5%以上の体重増減が,血圧,脂質,耐糖能,肝機能に影響を及ぼすことが判明した.また,男性非肥満者のすべての世代において5%以上の体重変化が血圧,脂質,肝機能に影響を与えることが観察された.
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