人間ドック (Ningen Dock)
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原著
1週間あたり10エクササイズ以上の運動習慣が内臓肥満を予防する
井本 貴之村中 愛紗横地 隆吉兼 直文小高 篤翠 尚子別所 祐次岩田 全充
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2011 年 25 巻 5 号 p. 818-824

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抄録

目的:日頃の運動習慣をエクササイズ(ex)の単位で確認したうえで内臓肥満との関連を検討し,「エクササイズガイド2006(厚生労働省)」において示された「内臓脂肪を減らすための運動として10エクササイズ(以下10ex)以上/週」が妥当であるかを検討すること.
方法:当センターが実施する職域を対象とした人間ドックを受診した男性1,173人を対象とした.日頃の運動習慣はエクササイズ(ex)の単位に関する理解を促した後に自記式質問票を用いて確認し,1週間あたりの運動量から対象者を4ex未満群,4以上10ex未満群,10ex以上群に分類した.内臓脂肪面積はCTスキャンにより臍部の腹部横断面を撮影,算出した.運動習慣の程度で分類した3群間で内臓脂肪面積の平均値を比較するとともに,年齢・職種・喫煙習慣・飲酒習慣・食習慣・皮下脂肪面積等の交絡要因を調整したうえで内臓脂肪面積75cm2以上であった対象者の出現オッズ比を3群間で比較した.
結果:運動量が最も少ない4ex未満群に対して,内臓脂肪面積の平均値,内臓脂肪面積75cm2以上であった対象者の出現オッズ比と共に有意に低値を示したのは10ex以上群であり,4以上10ex未満群では低値傾向はあるものの有意ではなかった.
結論:内臓脂肪を減らすための運動として10ex以上が必要であるとする国のガイドラインは妥当であると考えられた.

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© 2011 公益社団法人 日本人間ドック学会
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