抄録
目的:当院で経験した好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis:EoE)6例について臨床病理学的に検討を行った.
対象:2012年10月から2014年2月までに,上部消化管内視鏡検査でEoEを疑わせる所見を認め,食道生検で確定診断された6例.
方法:臨床症状,アレルギー疾患の有無,内視鏡所見,病理組織所見,治療効果などにつきretrospectiveに比較検討した.
結果:全例が男性で,年齢の中央値は38.5歳であった.4例が人間ドック受診者で,2例は外来患者であった.人間ドックの4例のうち3例は無症状で,1例に軽度の心窩部つかえ感を認めた.外来の有症状患者の2例はそれぞれ,心窩部のつかえ感,胸部のつかえ感で受診した.内視鏡検査で,縦走溝,輪状溝,白斑などのEoEを疑う所見が認められたため,全例に食道生検を施行し,好酸球数>20個/HPFであったのでEoEと診断した.3例に食物アレルギーを認め,1例がアトピー性皮膚炎・気管支喘息の既往があり,他の2例は不明であった.3例に食物アレルゲン除去の食事療法を行い,1例に吸入用ステロイド剤の嚥下療法を行った.ソバを避けること以外無治療で経過観察とした症例1は,2ヵ月後の内視鏡所見や食道生検の病理組織所見は著明に改善した.
結論:無症状の人間ドック受診者の場合でも,特徴的な内視鏡所見によりEoEが疑われた場合には,確定診断のために食道生検を積極的に行う必要がある.