2019 年 34 巻 3 号 p. 433-442
「ヒトは血管とともに老いる」といわれますが,では老いる(aging)とはどういうことなのか?どのような機序で起こるのか?心血管疾患の発症とどのようにかかわっているのか?高齢化社会を迎えて人間ドック健診受診者も高齢化しており,心血管疾患の発症におけるagingの関与が注目されています.Lakattaは心臓のagingにより,心不全,左室肥大,心房細動が発症すると述べています.血管のagingについては,血管内径の拡大,血管壁の肥厚,硬化とともに内皮機能不全を挙げています.これらは細胞老化に始まるさまざまな老化促進因子と老化抑制因子のしのぎあいの結果であり,その過程のなかにanti-agingの鍵が隠されている可能性があります.心血管疾患の早期発見と予防は人間ドック健診の大事な役割です.心臓と血管のaging,ならびに心血管疾患との関係についてまとめてみました.