人間ドック (Ningen Dock)
Online ISSN : 2186-5027
Print ISSN : 1880-1021
ISSN-L : 1880-1021
臨床経験(活動報告)
簡易型終夜Polysomnography(簡易PSG)を中心とした睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング新体制の有用性
岩本 由美子岡部 佳代子新井 桂介園尾 広志小林 亮
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 37 巻 3 号 p. 504-511

詳細
抄録

目的:これまで当施設ではパルスオキシメーターとスリープレコーダを使用した睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome: SAS)スクリーニング検査を行っていたが,装置の台数に制限があった.検査数を増やし,検査精度を上げて多くの潜在SAS患者の拾い上げを行うために2019年より外部委託にして簡易型終夜polysomnography(以下簡易PSG)装置を使用した検査に変更し,導入前後の成績について比較・検討を行ったので報告する.

方法:パルスオキシメーターまたはスリープレコーダを自施設で管理し検査を行っていた2018年度と外部委託にして簡易PSGを使用し検査を行った2019年度のSAS検査実施数,検査結果からは要精査率や紹介先医療機関からの返信率,紹介状の返信内容からSASと診断された患者数を比較する.

結果:検査実施数は36件から77件と2倍以上に増えた.検査結果より要精査率は31%から55%に増加,医療機関からの返信率も18%から64%に増加,SAS診断者は2名から21名に増加した.

結論:簡易PSG装置を使用したSASスクリーニング検査に変更し,外部委託にして装置の制限をなくすことは多くの潜在SAS患者の拾い上げに有効であった.検査の流れの見直しや検査後のフォローをすることで一人でも多くのSAS患者を治療へつなげることができた.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本人間ドック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top