抄録
自己申告式喫煙状況調査の精度を検討した。まず,健診受診者100人の喫煙状況を質問表で調べ,尿中コチニンを測定した。また,禁煙プログラムで禁煙した9人の呼気一酸化炭素を測定した。非喫煙と回答した80人中5人(20%)を尿中コチニンより喫煙者と判定された。禁煙した9人中2名が一酸化炭素より喫煙継続と判明した。ともに男性は「節煙」を「禁煙」と捉え,女性は喫煙の事実を隠蔽していた。この成績は,喫煙者の5人に1人は喫煙の事実を報告しない可能性を示すものであり,生体指標の使用や質問の工夫が必要である。