抄録
目的:頸動脈超音波検査の動脈硬化スクリーニングとしての有用性について,頸動脈病変の経年変化に注目し,動脈硬化危険因子との関連とともに検討を行った.方法:武田病院および関連施設において,超音波法を用いて,頸動脈病変について5年の経過をおいて観察が可能であった66例を対象とした.頸動脈病変は,内膜中膜複合体厚(intima-media complex thickness:IMT),プラークスコアについて検討を行った.結果:観察期間は1,835.9±110.1日であった.観察前後で,IMTは0.12±0.16mm(p<0.0001),プラークスコアは0.87±1.67(p<0.0001)の有意な増加が見られた.動脈硬化危険因子との関連については,危険因子を有する群で増加傾向を示したが,統計学的には有意差を認めなかった.プラークの石灰化病変に注目した検討では,石灰化が存在する群で増加傾向を認めた.特に,新たに石灰化を認めた群では,より強い増加傾向を認め,プラークスコアは有意に増加した(p=0.0002).結論:頸動脈超音波検査によるIMT,プラークの観察およびその石灰化病変の観察が,動脈硬化スクリーニングとしての指標となることが示唆された.