忍者研究
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息長と簡易マインドフルネス訓練の比較:忍者マインドフルネスについての試論
西村 誠
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2020 年 2020 巻 3 号 p. 77-85

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抄録
忍者の精神統一のひとつである息長と簡易マインドフルネス訓練を比較し、一般成人や特定の臨床群でも習得可能な息長の実施手続きを検討した。息長は呼吸だけでなく、いくつかの注意集中スキルを組み合わせた複合的な精神統一方法と考えられた。特徴的な手続きとして、極端な長息、音を出さない呼吸、「気」を仮定した全身への注意、森羅万象と一体となる視覚イメージの利用が挙げられた。簡易マインドフルネス訓練から応用できるものとして、「思考や感情に心がさまよったら呼吸や身体の感覚に注意を戻す」といったマインドフルネスの教示、オーディオ録音の利用が挙げられた。身体操作としての息長呼吸に簡易マインドフルネス訓練の心的活動の教示を付け加えることで、効率的に「不動心」を身につけられる可能性が示唆された。息長の緒手続きにマインドフルネスの教示を加えた「忍者マインドフルネス」を試論した。
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© 2020 国際忍者学会
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