NIRAオピニオンペーパー
Online ISSN : 2436-2212
社会保障改革しか道はない(第3弾)
2025年度に向けた7つの目標
土居 丈朗鶴 光太郎井伊 雅子小塩 隆士西沢 和彦柳川 範之
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2015 年 16 巻 p. 1-4

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抄録

2020年度の基礎的財政収支黒字化は、財政健全化という「長い道のり」の「一里塚」でしかない。長期的な財政健全化を達成するためには、社会保障の財源を消費税によって確保することで社会保障の受益と負担の均衡を目指すことが基本となる。また現在の社会保障制度は、非効率かつ不公平であり、高齢社会にふさわしい制度とはいえない。その意味でも、団塊世代が全員 75歳に達する2025年度までに社会保障改革を実施すべきである。2025年度までの社会保障改革のあり方における考え方は以下の4つの柱にまとめられる。第1に、受益と負担の均衡を通じた社会保障制度の持続性を確保することである。第2に、世代間の格差を縮小することである。第3に、年齢・世代の違いだけに注目するのではなく、その人が所得・資産などの面で困っているか、困っていないかを見極め、「困っている人」を集中的に支援することである。最後に、「困っている人」を減らし、「困らない人」を増やしていくことも必要となる。これらの4つの柱を軸に提示する7つの目標を、社会保障改革の実現により、2025年度までに達成することを提案する。

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