西日本皮膚科
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特別講演
白血病細胞の組織化学
朝長 正允
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1970 年 32 巻 2 号 p. 123-131

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抄録

白血病細胞の組織化学が現在もつとも偉力を発揮しているのは,白血病の診断およびその病型分類である。ペルオキシダーゼ,PAS,アルカリフォスファターゼ,スダンブラックBの4反応は基礎的な染色法として,その意義はすでに確立されている。著者はさらに当教室において開拓したβ-グルクロニダーゼ染色法,および非特異的エステラーゼ,酸フォスファターゼの所見を綜合するとき,白血病の診断,病型分類の客観性をより高めうることを確信し,当教室において以上の組織化学検査を如何に組合せて最終決定にもつてゆくかを具体的に説明するとともに,その場合,基本的態度として,各染色法が必然的にそれぞれの限界をもつていることに留意し,1つの方法のみに固執せず綜合的判定を行なうべきことを強調した。長崎地区における1946~1968年間の白血病638例,白血性悪性リンパ腫55例を材料として,病型別の皮膚白血病の発生頻度の統計を紹介した。

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© 1970 日本皮膚科学会西部支部
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