西日本皮膚科
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シンポジウム—皮膚疾患の準備性—
精神身体医学と皮膚疾患
中川 俊二
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1970 年 32 巻 2 号 p. 160-166

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抄録
心身医学は従来考えられていたような,精神分析的な解釈による心因論的な考えではなく,体質,過労,感染,その他の要因による身体的因子とともに,心理的因子をも含めて病気の成り立ちを研究し,心身相関でしめる心理的因子の役割りを正しく評価して,これを診療面に活用しようというのが目的である。すなわち,総合医学的な立場でこれを考える学問といつた方がよかろう。われわれは以前から,アレルギーを含めて皮膚疾患の心身医学的立場からの接近をこころみ,準備性としての心理的因子の影響を調査した。さらに積極的に心理療法をとりいれた総合的な治療を行ない,そのうちアレルギー性皮膚炎,食品アレルギー,薬剤アレルギー,蕁麻疹などについて治療後の成績を追究したところ,心理療法の併用が有効である場合が少なくないという結果をえた。また心身医学的面から,症状の誘発についてセロトニン,ヒスタミンの測定を行なつて,興味ある結果をえた。
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© 1970 日本皮膚科学会西部支部
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