西日本皮膚科
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研究
外用コルチコステロイド経皮吸収による副腎皮質機能抑制の検討
―0.05% Clobetasol 17-Propionate Ointment単純塗布の場合―
阿曽 三樹井上 多栄子蓮尾 統子清水 康之三原 基之島雄 周平臼井 敏明河本 裕子
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1975 年 37 巻 4 号 p. 553-564

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抄録

尋常乾癬2例, 種々の皮膚炎3例計5例の患者に0.05% clobetasol 17-propionate軟膏20~60g/day (clobetasol 17-propionate 10~30mg)を連日7日間単純塗布し, その前後を含めて毎日15日間, 血清11-OHCS, 尿中17-OHCS値を測定した。また第1, 3, 7, 11, 14日目に末梢循環好酸球数ならびに血糖値を測定した。
1) 血清11-OHCS値は全例において本軟膏塗布後減量した。そして5例中3例では塗布中止後も回復が遅延する傾向が観察された。
2) 尿中17-OHCS値は2例に減量が観察された。
3) 末梢循環好酸球数ならびに血糖値は全例でそれぞれ減少, 上昇傾向が観察された。
4) 以上より本軟膏 20~60g/day 単純塗布した場合副腎皮質機能抑制を惹起するに十分なclobetasol 17-propionateの経皮吸収が起こると考えられる。
5) 臨床的効果はきわめて優れていて, 従来の外用剤によるODTの効果に匹敵する。
6) 副腎皮質機能抑制の強い外用剤ほど臨床的効果が優れているというわれわれの従来の主張を裏づけた。

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© 1975 日本皮膚科学会西部支部
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