西日本皮膚科
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研究
尿素溶液と魚鱗癬角質
―第1報 尿素溶液が角質水分保持量におよぼす効果―
手塚 正村松 豊二郎稲木 敏男
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1975 年 37 巻 5 号 p. 802-807

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抄録

Cow snoutおよびcow hoof皮膚を1cm2の大きさに切つた後, クリオスタットを用いてそれぞれ30μm, 100μm, の厚さの角質標本を作り尿素溶液浸漬後の水分保持能力の差を比較した。尿素溶液に浸漬した際, 水分量の増加は両者ともにみとめられ, とくにcow snoutにおいて著明でcow hoofの約3倍であつた。この水分量の増加は角質切片中に浸透した尿素量の増加に比例し, 尿素と結合した水の増加によるものであることが明らかとなつた。Cow snoutおよびcow hoof角質切片中の成分を検討したところ, cow snout角層はDOCおよびアルカリ性尿素不溶性蛋白質(肥厚細胞膜由来と考えられる)あたり, ケラチン線維および線維間蛋白質の量がcow hoof角層に比較して少なかつた。この成分の差が尿素の浸透性の差を生じる主たる因子と考えられた。

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© 1975 日本皮膚科学会西部支部
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