西日本皮膚科
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治療
疣贅治療の現況
疣贅治療研究班
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1976 年 38 巻 3 号 p. 445-453

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抄録

尋常疣贅と扁平疣贅の治療法について東海地方皮膚科学会員にアンケート調査を行なつた。尋常疣贅には局所療法, 扁平疣贅は全身療法が多かつたが, 挙げられた方法は多岐にわたつた。尋常疣贅にはbleomycin局注が高く評価されている。扁平疣贅には矢追抗原とヨクイニンの内服が常用されている。さらに常用されている方法についてその効果を検討した。歴史的にみるとはとむぎを疣贅に使用したのは日本人である。扁平疣贅の矢追抗原皮内注は4ヵ月以内の消失率は30.8%に認められ, ヨクイニンとの併用でさらに有効率が上昇した。自然治癒は15%程度と考えられる。また発赤, 浮腫, そう痒を注射後にきたしたものでは治癒率が高かつた。尋常疣贅にたいしてbleomycin局注, 5-FU外用はそれぞれ83.8%, 58.4%の有効率で今までの治療法に較べて効果が大きいと考えられた。最近の疣贅治療にかんする文献を集め考察を加えた。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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