西日本皮膚科
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症例
悪性線維性組織球腫
堀 真前島 和樹西本 勝太郎江上 和也里見 行義麻生 則正
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1976 年 38 巻 6 号 p. 910-919

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抄録

49才男子の腰部に発生したmalignant fibrous histiocytomaを報告した。組織学的には, 異型性のつよい紡錘形細胞および卵円形の細胞よりなり, 腫瘍性の巨細胞もみとめられた。これらの細胞が種々の形で配列し, 一部ではangiosarcoma様をしめし, 一部ではつよい膠原線維の増殖をみとめ, fibrosarcomaを思わせる所見であつた。嗜銀線維の増殖, 鉄貪食能が非常にさかんであつた。電子顕微鏡による観察でもhistiocyteの起源がもつとも考えられるような所見であつた。患者は肺および腹腔内リンパ節転移をおこし死亡した。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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