49才男子の腰部に発生したmalignant fibrous histiocytomaを報告した。組織学的には, 異型性のつよい紡錘形細胞および卵円形の細胞よりなり, 腫瘍性の巨細胞もみとめられた。これらの細胞が種々の形で配列し, 一部ではangiosarcoma様をしめし, 一部ではつよい膠原線維の増殖をみとめ, fibrosarcomaを思わせる所見であつた。嗜銀線維の増殖, 鉄貪食能が非常にさかんであつた。電子顕微鏡による観察でもhistiocyteの起源がもつとも考えられるような所見であつた。患者は肺および腹腔内リンパ節転移をおこし死亡した。