西日本皮膚科
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研究
副腎皮質ホルモン外用剤の全身におよぼす影響
―とくに諸臓器ならびに血液の変化を中心に―
武田 克之白石 聰田中 雅祐阿井 清一倉本 昌明
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1977 年 39 巻 5 号 p. 775-784

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抄録

0.12% Betamethasone valerate (B-V), 0.025% fluocinolone acetonide (F-A), 0.05% fluocinolone acetonide acetate (FAA)および 0.5% clobetasol propionate (C-P)の4種の外用コルチコイドをラットの背部皮膚に1日1回, 約0.2gを2週間連日塗布し, 全身におよぼす影響などについて比較検討した。体重の変動, 途中死亡数, 胸腺, 副腎, 脾, 骨髄, 塗布部皮膚, 血液像などの変化を指標に検討した結果, FAA>F-A>C-P>B-Vの順に影響が強くMcKenzie法による血管収縮活性値の強さの順位とはかならずしも平行しなかつた。本実験においてはいずれのステロイド外用剤も臨床濃度で諸種の全身的影響を観察したところから, 局所外用にあたつても経皮吸収による全身的影響を考慮する必要があり, 大量長期連用には慎重であらねばならない。

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© 1977 日本皮膚科学会西部支部
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