西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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症例
Dermatofibrosarcoma Protuberans
山元 真理子樋口 貴子荻野 篤彦武田 敏夫
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1980 年 42 巻 4 号 p. 610-614

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抄録

胸部∼上腹部に赤褐色局面, 小結節および巨大腫瘤を呈したdermatofibrosarcoma protuberansの46才男子例を報告した。皮疹の発生より受診までの期間は40年余りであり, その間の腫瘤の発育は緩徐ながらも進行性であつた。腫瘤塊は, 組織学的に膠原線維と線維芽細胞が種々の成熟度をもつて混在し, cartwheel patternを示した。腫瘍細胞は, 若干の異形性, 多形性が認められたが, 核分裂像は認められなかつた。生検部位により, また同一生検標本の組織内でも線維成分と細胞成分の比率に相違がみられた。腫瘤の全摘出後, 全層遊離植皮術を行ない, 1年6ヵ月を経過した現在, 再発は認められない。なお, 組織学的所見と転移例, 再発例との関係を中心に若干の文献的考察を行なつた。

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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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