西日本皮膚科
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研究
スポロトリコーシスの血清反応に関する研究
—とくにSporothrix schenckiiの菌体抽出物質による沈降反応について—
池谷 精司
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1980 年 42 巻 4 号 p. 633-640

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抄録

Sporothrix schenckiiより抽出した水溶性物質(多糖体および核酸を主成分とする)を抗原とし, スポロトリコーシス患者26名に対し沈降反応を実施し, 同時に本菌の培養期間の長短が抗原性におよぼす影響を追求した。
1) 培養期間別抗原による血中抗体検出率は9週抗原, 13週抗原, 17週抗原が高く本症患者11名に行なつた46回の沈降反応でともに42回陽性(91.4%)を示した。反応の強さは9週抗原がもつとも強く, 上記3抗原の中では非特異反応は9週抗原においてもつとも低く, 対照血清1,136名のうち38名(3.3%)にすぎなかつた。すなわち9週抗原がもつとも優秀な抗原であつた。
2) 本症治癒後における沈降抗体は, 固定型では長く存続する傾向にあり, リンパ管型では病巣治癒とともに陰性化する傾向がみられた。

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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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