西日本皮膚科
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治療
Diflorasone Diacetate外用剤長期投与による局所および全身的影響
Diflorasone Diacetate研究班
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1985 年 47 巻 3 号 p. 530-537

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抄録

Diflorasone diacetate(以下DDAと略)は, 米国アップジョン社で合成された外用コルチコステロイド剤である。今回, DDAの軟膏, クリームを一般診療で使用する量を長期使用した場合にみられる全身への影響を血清コルチゾール値, 末梢血好酸球数および一般臨床検査値を指標として検討し, あわせてその臨床効果, 局所皮膚への影響についても解析を行つた。臨床効果は軟膏, クリームともきわめて高い全般改善度, 有用性が得られた。局所皮膚への影響の発現率は, 本剤の血管収縮能の強さを考慮すると, 少ないといつてよいと思われる。血清コルチゾール値, 好酸球数は治療前·中·後を通じて余り変化のない例が多かつた。治療後間もなく低下をみた例では治療中に治療開始前のレベルにもどる傾向がみられた。一般臨床検査値では, 本剤によると思われる検査値の異常は1例も認められなかつた。

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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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