西日本皮膚科
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治療
皮膚真菌症に対する710674-Sクリームおよびゲル剤の臨床効果
桐生 博愛江口 一彦柳沢 一明末永 義則
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1985 年 47 巻 3 号 p. 546-551

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抄録

本邦で開発された710674-Sクリームおよびゲル剤の表在性皮膚真菌症に対する臨床効果と安全性を検討した。試験症例は足白癬10例, 手白癬1例, 体部白癬10例, 股部白癬8例, 癜風4例, 間擦疹型皮膚カンジダ症8例, カンジダ性指間糜爛症5例, カンジダ性爪囲炎2例計48例(クリーム31例, ゲル17例)であり, 以下の成績を得た。
1) 総合効果判定の有効率(著効+有効)は白癬のクリーム60∼100%, ゲル25∼100%, 癜風のクリーム67%, ゲル100%, カンジダ症のクリーム100%, ゲル50∼100%であつた。
2) 菌の陰性化率は白癬のクリーム60∼100%, ゲル25∼100%, 癜風のクリーム67%, ゲル100%, カンジダ症のクリーム100%, ゲル50∼100%であつた。
3) 有用率(非常に有用+有用)は白癬のクリーム33∼100%, ゲル25∼100%, 癜風のクリーム33%, ゲル100%, カンジダ症のクリーム0∼100%, ゲル50∼100%であつた。
4) 副作用は4例に認められ, 発生率はクリーム6.9%, ゲル11.8%であつたが, その症状は刺激感(3例), 紅斑·丘疹(1例)でいずれも軽度なものであつた。
以上により, 710674-Sは皮膚真菌症に対して安全で有効な外用剤であると考えられた。

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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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