西日本皮膚科
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治療
帯状疱疹後神経痛の予防に対するアシクロビルの効果の検討
戸倉 新樹小出 まさよ堀口 大輔宜野座 真澄橋爪 秀夫加茂 直子滝川 雅浩山田 瑞穂
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1987 年 49 巻 6 号 p. 1088-1092

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抄録
帯状疱疹患者88人に対してアシクロビルを投与し, 帯状疱疹後神経痛の予防という観点から, その有効性を検討した。発症後1ヵ月以上疼痛が持続した症例は, 50才代で29.6%, 60才代で38.9%, 70才以上で45.5%みられた。これは, 自然経過による症例について行つた従来の調査より低率であつた。また2ヵ月未満で疼痛消失をみた群と2ヵ月以上疼痛が持続した群におけるアシクロビル投与開始病日を比較したところ, 前者は5.0±2.79日, 後者は7.7±2.15日であり, 疼痛が長期持続した症例では, 本剤の早期投与がなされていなかつた。以上より, 早期投与を行えば, アシクロビルが帯状疱疹後神経痛の予防という点からも有効な薬剤であると考えられた。
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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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