西日本皮膚科
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続発性(二次性)リンパ浮腫の100例
—臨床的検討—
大熊 守也
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1989 年 51 巻 1 号 p. 79-83

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抄録

100例の続発性(二次性)リンパ浮腫について臨床的に検討した。男女比は1:5, 年令は40∼80才に多かつた。また, 発生部位は下肢に多く, 約半数が片側性であつた。原因疾患として子宮癌39例, 乳癌10例などが多く, 治療別原因をみると, 根治的手術, 放射線療法をうけたもの39例, 手術のみ24例, 放射線のみ6例であつた。Latent phase(原因疾患, あるいは原因となる治療より浮腫発症までの期間)は, 直後から13年までみられた。22年から30年の症例もあつたものの, これらは因果関係が不確実であると思われた。組織学的には全例で毛細リンパ管拡張が必ずみられ, 象皮病になるとaminopeptidaseが真皮全層に陽性に認められた。問診, MRI, 組織クリアランス, 真皮中過酸化脂質定量が診断に有用であつた。合併症として細菌性蜂窩織炎や真菌症が多く, 治療はマイクロウエーブが効果を示した。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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