西日本皮膚科
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研究
母斑性基底細胞癌症候群における母斑性基底細胞腫瘍の毛包性
 
麻生 和雄下浦 孝子穂積 豊
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1989 年 51 巻 3 号 p. 468-477

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抄録

母斑性基底細胞癌症候群の母斑性基底細胞腫瘍を病理組織学的, ケラチン生化学的に検索し, 腫瘍を母斑性基底細胞様細胞の表皮·毛包からの萌芽·増殖にはじまり, 毛包分化性の種々の形態を示す腫瘍形成を経て, 毛包性基底細胞癌に至るものと推定した。腫瘍の毛包性は1)全体の構築像, 2)腫瘍細胞の毛包性—a)豊富なメラニンを含有する大小の角質嚢胞, b)parakeratotic cellよりなる小渦巻構造, c)澄明細胞の存在, および 3)腫瘍辺縁あるいは腫瘍間にみられる表皮·毛包脂腺よりの母斑性基底細胞様細胞の萌芽像より明らかであると考えた。腫瘍の毛包性を裏付けるものとして, 腫瘍から毛鞘ケラチンが検出された。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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