1993 年 55 巻 2 号 p. 327-336
炎症症状あるいは湿疹性変化を伴う趾間型足白癬に対して, イミダゾール系抗真菌外用剤を単独で使用した場合と, 抗真菌剤外用前に2週間ステロイド外用剤あるいは抗真菌剤とステロイド外用剤の配合剤を用いた場合の3種類の治療方法について有用性を比較検討した。その結果, 抗真菌剤単独投与よりもステロイド外用剤あるいは配合剤を用いた方が早期にそう痒, 発赤, 浸軟などの改善がみられ, とくに, 配合剤使用において早期改善が著明であった。湿疹性変化が強い足白癬に対しては, 抗真菌剤の外用でかえって症状の悪化をみる場合も多く, 短期間, ステロイド外用剤あるいは配合剤を用いることは治療期間の短縮につながるものであり, 有用と思われた。