西日本皮膚科
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治療
そう痒性皮膚疾患に対する塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床的検討
高木 順之野村 和夫橋本 功
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1993 年 55 巻 5 号 p. 972-981

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抄録

弘前大学皮膚科および関連8施設を受診したそう痒性皮膚疾患(蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹)の患者168例を対象として塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の有効性, 安全性および有用性について検討した。蕁麻疹45例, 湿疹·皮膚炎60例, 皮膚そう痒症45例, 痒疹18例, 合計168例の成績は, 有用度において, 有用以上が82%, やや有用以上が93%と極めて高い有用性を示した。疾患別症状別の重症度推移においては, 蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症において, 皮疹の改善と共に, 極めて早期からそう痒の減少が認められ, 本剤の強力な止痒効果が実証された。副作用または臨床検査値異常の発現は, 20例12%と比較的高頻度に認められたが, 眠気が最多で軽微なものが多く, 重篤なものは少なかった。以上の結果から, 本剤はそう痒性皮膚疾患の治療において, first choiceで用いることができる薬剤と考えられた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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